山より高く登っていく

九州にて山に登っています。

山に登り人に出会って感動する

久住山~登山~

2012年10月21日晴れ

 

ツアーを利用して久住山に登ってきました。

いい景色です。

今回のルートは

牧ノ戸峠→久住山→諏峨守峠越→長者原→久重登山口

です。

 

紅葉のピーク。

出来過ぎの空。

日本百名山の一つ、久住山です。

思ったよりも、気温が高く防寒具を着ることはなさそうです。

牧ノ戸峠に着く前に、山道のバスということで酔ってぐったりしていました。

これは、帰りも同じで登山よりもきつかったです。

 

最初はゆっくり、紅葉を楽しみながら。

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そして、登山者が多かったです。

私たちの他にも団体さんがいくつかあり、狭いところはすれ違うだけでも一苦労。

ツアーなので、ガイドさんの話が聴けるのですが、後ろにいるとほとんど聞こえず。

ちょっと残念でした・・・

 

山頂前のガラ場が、歩きにくかったです。

石石石石。

滑ります。

慎重に慎重に登り、ついに山頂です。

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景色がよかったです。

壮大でした。

いやはや、これが登山の醍醐味です。

遠くの山々まで見れたのがうれしかったです。

 

さぁ、下山です。

もう、るんるん気分です。

しかし、これから始まる苦難に私はまだ気づいていませんでした・・・

 

 

カオナシが類友

先日、帰省していた姉に言われました。

 

カオナシみたい」

 

誤解のないように言っておきますが、顔のことではありません。

歩き方です。

寝起きの歩き方が、腕をまったく動かさずだらんとしていて、上半身も動くことがなかったため、上のように言われました。

 

初めてです、そんなこと言われたの。

両親に指摘されたこともなく、自分ではまったく無意識でした。

 

ショッピングしているときも姉に言われました。

 

「上半身が全然動かないね」

 

な、なんと?!

寝起きだけではなく、普段からそうだったようです。

え?なんで?

自分では普通に歩いていると思ってたのに。

 

しばらくして、原因がわかりました。

登山です。

登山するときに、重心を動かさないように、と意識的にしていたのが、どうやら日常生活にまで影響を及ぼしていたらしいです。

その土台は、高校・大学とやっていた茶道でしょう。

お道具を運ぶときには、すり足で上半身を動かさないように歩きます。

ゆえに、登山歩きがすんなり日常生活まで浸食したらしいです。

 

しかし、想像したらずいぶんと不気味な歩き方してるな・・・

登山と茶道の思わぬケミストリーです。

そんな因果関係が

録画していただいぶ前の「ニノさん」を観ました。

増えたもの減ったものを紹介する企画でした。

その中で富士山が取り上げられていました。

 

「富士山周辺に泊まる宿泊客が増える」と

 

「富士山登山客が減る」

 

というもの。

どういうこと・・・?

両方増えるんじゃないの?

世界遺産になったし。

登山ブームだし。

 

まずは、富士山登山客が減っている理由。

 

①弾丸登山の自粛を要請しているので、その分弾丸登山客が減った

 

弾丸登山というのは、十分な休息を取らないまま登ってすぐに下りる登山です。

金曜日の夜に仕事が終わってそのまま、車を走らせて富士山の麓まで行って、3.4時間の仮眠をとって、早朝に出発する、みたいな過密スケジュールの登山です。

・・・どんだけ弾丸登山する人多かったんだ。

 

②マイカー規制

 

これにより、自由に行けなくなったので、まぁそこまで登りたくないし、という人が来なくなった。

 

・・・へぇ。

 

宿泊客が増えている理由は?

 

答え それでも富士山見たいじゃん!!

 

ってことで、富士山に登れなくても見たいという人が泊まっているらしいです。

番組の紹介と因果関係が反対だったけど、まぁ、分かればいいですよね。

 

富士山がきれいに見える宿には、1泊13万円するお部屋もありました。

ほ、ほえ~!

 

私の山登りはたぶん大丈夫じゃない

 

山の遭難―あなたの山登りは大丈夫か (平凡社新書)

山の遭難―あなたの山登りは大丈夫か (平凡社新書)

 

 2013年山の遭難件数は警視庁の発表で2172件(前年比9.3%増)だそうです。

昨今の登山ブームで、登山者が増えたこと、同時に十分な知識や装備もないまま登ってしまう人が後を絶たないことなどが、ざっくり理由として挙げられます。

 

サブタイトル「あなたの山登りは大丈夫か」

本書を読むと、今の自分の登山は大丈夫か、と否が応でも顧みてしまいます。

私の場合、反省すべき点が多々あります。

(装備、知識、体力・・・あれ?全部?)

 

本書は、山の遭難の少史から、救助活動の実態、ツアー登山とガイド登山の在り方、もちろん遭難事故について、幅広く言及しています。

これらを通して、どうすれば遭難を回避できるのか、遭難した場合にすべきことなどが書かれています。

興味深かったのが、マヨネーズが非常食として絶大なる力を発揮したことです。

キュー〇ーさん、新たな分野開拓ではないですか?

それとも、もうやっていますか?

 

生還した人の共通点を挙げるとしたら、著者は

「こんなところで死んでたまるか。絶対に生きて帰るんだ」

という、強い意志を持ち続けたことではないか、としています。

まじか。

それってほぼ運任せみたいなものでは・・・・

と、脱力しますが、意思に頼るしかない状況に陥る前に、本書で勉強し、遭難を回避です。

少なくとも、知識と体力と技術があった方が生存確率は伸びます。よね?!!

 

宝満山2回目~下山~

元気な子供たちにお別れをし、下山します。

鎖場を下り、女道を通り、中宮跡に戻ってきました。

さて、ここからです。

どこにも「行者道こちら」なんて標識はありません。

もう少し先だろうか、と進んでみる。

おやおや、百段ガンギの終点に着いてしまいましたよ。

完全に違うので中宮跡まで戻ります。

しかし、やはり行者道への道がわかりません。

うろうろ。

うろうろ。

すると、おばさま2人が道がないようなところに入って行きました。

 

そこにあったのか!!!

 

驚きと感動でおばさまたちに着いていきます。

しかし、この2人速い。

私は下りが苦手なので、ゆっくり進んでいたのですが、すぐにおいていかれました。

おばさま方の陽気な止まらない世間話の声を頼りについていきます。

あぁ、待って。

そんな私の願いむなしくおばさま方はスッタカスッタカ行かれます。

とうとう、声も聞こえなくなりました。

おばさま方の導きを当てにできなくなった私は、心細く一人で進みます。

今思うと、あれは山の神が遣わした妖精さんだったのでしょうか。

ん?神と妖精の組み合わせは違う?気にしない気にしない♪

 

長い登山道を一人黙々と進みます。

鳥追峠に着く直前、風が「よく頑張ったね」と言わんばかりにそよそよと吹きます。

妖精さんが近くにいる?!

(脳内の妄想が溢れてる瞬間ってありますよね)

少し、元気になった私は順調に進みます。

そして、待ち望んだ光景が。

視界が開けた!!

ビクトリー!!(?)

ゴールはもうすぐです。

気分ルンルンで、コンクリートの地面になったら、うれしくて走りだしました。

どこにそんな体力が残っていたのでしょう。

 

神社で感謝のお参りをして、檻に入った鹿に餌をあげました。

神の使いっていっても所詮獣です。

餌の前では風格ありません。

こっちに来てみろ、と檻の反対側にダッシュ。

鹿も反対側に来ます。

先ほどまで神に感謝していたのに、その使者をもてあそぶ。

なかなかの冒涜っぷりです。

 

帰りに梅酒を買って、家で酒盛りをしました。

無事に帰ってこれてよかったよかった。

いい山行でした。

 

宝満山2回目~登り~

2012年10月6日(土)くもり

 

宝満山リベンジです。

今回は予定のルートに!

赤の点線のルートです。

左下の竈門神社前→一ノ鳥居→中宮跡→頂上→女道→中宮跡→行者道→鳥追峠→竈門神社 のルートです。

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実際通ったルートは下です。

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登りでなぜか林道の方に行ってしまってます(黄色の線

登山道の方は「立ち入り禁止」って看板があったんだけど、あれは・・・妖精さんのいたずらだったのでしょうか。

登山道に戻れたのでよかったです。

 

一度登ったことがあるので、順調に登れました。

どこがきついか、など知っているだけでもずいぶん精神的に違います。

これまでの登山から学んだこと。

それは

「とにかく小股で歩け!」

です。

調子に乗って、さくさくと登ろうとして大股で登ったら、疲れるのが早くなります。

本当に、疲れます・・・

周りの玄人たちなど気にせず、自分のペースでちょこちょこ歩くのが

今のところ私にはいいようです。

 

最初にルートを間違えた以上は、特に問題もなく頂上に着けました。

10月で平地は20℃を超えていますが、

頂上は16℃でした。

100m標高が上がるごとに0.6℃下がります。

1000m超えると6℃下がることになるので、平地の気分ではいられません。

登っているときは、暑かったのも、止まっていると寒いです。

上に着るものを1枚持っていましたが、薄かったので寒いまま・・・

あぁ、おにぎりがつめたい。

しかし、そんな寒さを吹っ飛ばす奴らがいます。

子供です。

彼らは元気です。

へろへろの私の目の前を、笑いながら走っています。

なんて、エネルギーなんだ・・・

え?同じルートを登ってきたよね?

なんでそんな元気なの?

そして・・・君たちは下山の恐怖を知らないのか!?

  • そんなにエネルギーを使って大丈夫なのか?!

 

そんな彼らにエネルギーを吸い取られたような、もらったような気持ちで下山です。

 

歩いて宇宙に行くようだ

SWITHCインタビュー達人達(たち)

Eテレ6月28日(土)放送

 

登山家 竹内洋岳×フリーダイバー 篠宮龍三

 

8000m峰14座すべてに登頂した唯一の日本人

水深115mまで酸素ボンベなしで潜るダイバー

 

山と海!

 

お互い自然の中の極限状態を体験している!

 

ということで非常に期待が持てる内容です。

 

しかし、竹内さん。

相変わらず「登山家」っぽくない。

その装い(白の細身のパンツにジャケット姿)は、どこのベンチャー企業の社長ですかって思います。

片や篠宮さん。

うん、海を感じさせる風貌です。

下はサンダルだし。

 

およそ人類が生身では行けないところに行っているだけあって

二人の会話は、ディープで興味深くておもしろかったです。

 

中でも印象に残ったのが、竹内さんの

 

「歩いて宇宙に行くようだ」

 

という言葉です。 

8000mを超える山を酸素ボンベなしで登っていく。

空気は平地の3分の1。

それを苦しいなどの言葉で表現せずに、宇宙に行っているみたいと。

頂上って、空を超えて、宇宙につながっていたのか。

詩を読んでいるみたいだ。

 

他には

「人間である自分がそこにいるのがあまりに不自然」

(8000m越えの頂上の感想)があります。

また

「超高所の世界は敵意しかない」

これは、最初自分が自然に対して抱いているのかな、と思いました。

しかし、そこは登頂を「制覇」と言わない竹内さんです。

自然がかよわき人間に向けてくる「敵意」だそうです。

優しさなんて感じることはない、ともおっしゃっております。

私たちって人間以外の生物でも植物でも「やさしさ」を、無意識に感じているんだろうなぁ。

 

片や篠宮さんは深く潜るほど

「海の愛」を感じるそうです(細かな言葉はたぶん違った)

酸素も太陽の光もない世界で、そんな穏やかな心境になれるのが不思議なものです。

 

私は、この対談で篠宮さんをはじめて知りました。

まさしく海が似合う方ですね。

笑顔なんて素敵です。

 

この対談は、消さずに残しておきます。

(大体の録画番組はソッコーで消しますが)