山より高く登っていく

九州にて山に登っています。

山に登り人に出会って感動する

春を背負って

を観てきました。

これは山岳映画というよりも家族の物語です。

山という、厳しい自然の中で描くことにより際立つ人間の弱さと強さと温かさ。

人が一人、遭難して運ぶだけでも一人では難しい。

観ているこっちが「撮影大変だっただろう」と同情せずにはいられない場面が多々ありました。

豪雨の中を歩くシーン

荷物を背負って登るシーン

倒れた人を背負って岩を下るシーン

 

特に、人を背負っているときにあのふらつきと汗は演技ではなかったと思います。

松ケン、頑張ったね!

 

家族の物語であると同時に

山に拘わる多くの人の思いが詰まっている映画でもあります。

登山者

山小屋の人

山岳救助隊

医師

 

山って登るだけではないのですよ。

自分だけの山ではないと、改めて思いました。

その中でも山小屋の役割を、主人公の亨が

「登山者を無事に下山させることが山小屋の責任なのに」

と言っていました。

来てくれた登山客をもてなすだけではないのですね。

命までも預かっているのですね。

この点は、私も軽く考えていました。

山に小屋があるというだけでも、すごくほっとします。

その安心感を山小屋の方の責任感が支えているのだとすれば、感謝せずにはいられません。

 

この映画の重要な人物、豊川悦司演じる「ゴロさん」。

非常にいいです。

重くて堅苦しいところをこのゴロさんがふわっと柔らかくしてくれる。

ひょうひょうとしているようで芯がある。

半人前の亨を一人前になるまで見守る、懐の深さがある。

ものすごく素敵です。

大好きです。

ゴロさんに出会えただけでも、この映画を観てよかったと思います。

 

山の素晴らしさと厳しさ

人間の温かさと儚さ

 

これらを堪能できた映画でした。